DJ初心者の機材選びで一番大切なこと
DJを始めたいけど、何を買えばいいのかわからない。
DJ機材を調べてみると、DJコントローラー、XDJ、CDJ、DJミキサーなど、聞き慣れない名前がたくさん出てきます。
値段も数万円から100万円を超えるセットまであり、
「初心者なら、とりあえず一番安いものを買えばいいの?」
と迷ってしまう人も多いと思います。
でも、DJ機材を選ぶときに一番大切なのは、初心者か上級者かではありません。
「自分はどんなDJを目指すのか?」
だと思います。
この記事では、大きく2タイプに分けておすすめの機材を紹介します。
・家で趣味としてDJを楽しみたい人
・将来は実際のクラブでDJをしたい人
最初から高価な機材を買う必要はありません。
一方で、本気でクラブDJを目指しているなら、価格だけではなく、将来どんな環境でDJをするのかまで考えて機材を選ぶのがおすすめです。
まず結論:目的別おすすめDJ機材
| こんな人 | おすすめ | 価格 |
|---|---|---|
| とにかく安くDJを試したい | DDJ-FLX2 | 27,500円 |
| 家でDJをしっかり楽しみたい | DDJ-FLX4 | 49,500円 |
| クラブを目指してUSBでDJする練習をしたい | XDJ-RR | 154,000円 |
| 本格的な機材が欲しいけど1台で完結させたい | XDJ-AZ | 473,000円 |
| 本気でクラブDJを目指したい | XDJ-700 ×2+DJM | 264,000円〜 |
| より本格的なクラブ型の環境を作りたい | XDJ-1000MK2 ×2+DJM-450 | 478,500円 |
※ヘッドホン、スピーカーなどの周辺機器は含んでいません。
家でDJを楽しみたい人
「クラブに出演する予定はないけれど、好きな曲を自分でミックスしてみたい」
「DJに興味があるから、とりあえずやってみたい」
そんな人なら、最初から何十万円もするDJ機材を買う必要はありません。
まずはパソコンやスマートフォンと接続して使うDJコントローラーから始めるのがおすすめです。
とにかく安くDJを始めたいなら「DDJ-FLX2」
「DJをやってみたい。でも続けるかわからないから、最初から高い機材は買いたくない」
そんな人にはDDJ-FLX2がおすすめです。
DDJ-FLX2はコンパクトな2チャンネルDJコントローラーで、rekordboxに対応しています。
パソコンだけでなく、対応するスマートフォンやタブレットと組み合わせてDJすることもできるので、「まずは気軽にDJを始めてみたい」という人にはかなり入りやすい機材です。
ただし、FLX2はコンパクトさと手軽さを重視したモデルなので、操作部分もシンプルです。
「DJってどんなものか一度やってみたい」
「家で好きな曲をつないで遊べれば十分」
というDJの楽しさを体験してみたい人には十分な選択肢です。
DDJ-FLX2がおすすめな人
・とにかく安くDJを始めたい
・DJが自分に合うか試してみたい
・家で遊べれば十分
・大きなDJ機材を置くスペースがない
・スマホやタブレットでもDJをしてみたい
「まずDJを体験してみたい」という人には、かなり始めやすい機材です。
家でしっかり楽しむなら「DDJ-FLX4」
「DJを趣味としてちゃんと続けてみたい」
という人にはDDJ-FLX4がおすすめです。
FLX2より価格は上がりますが、DJの基本的な操作をしっかり練習できます。
FLX4もFLX2と同じくrekordboxに対応していて、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットでも使用できます。
大きな違いは、FLX4の方がDJミキサーらしい操作系を備えていること。
たとえば各チャンネルにはTRIMとHI・MID・LOWの3バンドEQがあり、チャンネルフェーダーやクロスフェーダー、ヘッドホンモニターなどを使ってDJの基本的なミックス操作を練習できます。
DJ用の楽曲管理・演奏ソフト「rekordbox」を使って、パソコンに入っている曲をFLX4で操作します。
家でDJを楽しむことがメインなら、個人的にはこちらが本命です。
DDJ-FLX4がおすすめな人
・家でDJをしっかり楽しみたい
・DJの基本的な操作をきちんと覚えたい
・EQやフェーダーを使ったミックスを練習したい
・FLX2より大きく、操作しやすいコントローラーが欲しい
・将来的にクラブDJにも興味がある
家DJ用で迷っているなら、個人的にはFLX4がおすすめです。
将来クラブでDJをしたい人
ここからは、機材選びの考え方が少し変わります。
将来クラブでDJをしたいなら、
「家でDJができるか」だけではなく、「クラブでDJするための準備ができるか」
という視点も持っておくといいと思います。
クラブでは、自分のパソコンとDJコントローラーを毎回持っていくのではなく、クラブに設置されているDJ機材に、自分のUSBメモリを挿してDJするスタイルがよく使われます。
そのため、
rekordboxで曲を整理する
↓
USBメモリに曲を書き出す
↓
USBをDJ機材に挿す
↓
DJする
という流れに慣れておくことも大切です。
さらに本格的にDJを続けるなら、プレーヤーとミキサーの役割、機材の接続方法、音がどこを通っているのかなども少しずつ理解していくと役立ちます。
機材を理解して扱えることも、プロとしてDJを続けていくための能力のひとつだと私は思っています。
パソコンなしでDJする練習を始めるなら「XDJ-RR」
「将来クラブでDJをしたいけれど、最初から何十万円もする本格的な機材を揃えるのはちょっと……」
という人にはXDJ-RRがあります。
XDJ-RRの大きな特徴は、DJをするときにパソコンを接続しなくても使えることです。
rekordboxであらかじめ曲を整理してUSBメモリに入れておけば、そのUSBをXDJ-RRに挿してDJできます。
このように、パソコンを接続せずDJ機材だけでプレイできるタイプを「スタンドアローン」と呼ぶことがあります。
ただ、初心者なら難しい言葉を覚える必要はありません。
「USBを挿せば、その機材だけでDJできる」
くらいに考えておけばOKです。
これは将来クラブでDJするときの練習にもなります。
さらにXDJ-RRは、左右のプレーヤー部分と中央のミキサー部分が1台にまとまっています。
友達の家やホームパーティー、小規模なイベントなどに持っていってDJしたい人にも便利です。
XDJ-RRがおすすめな人
・将来クラブでDJしたい
・パソコンなしでDJすることに慣れたい
・USBを使ってDJする練習をしたい
・できるだけシンプルな機材がいい
・パーティーなどへ持ち出したい
※USBメモリ用端子は1つなので、複数のDJがそれぞれUSBを挿したまま交代するようなイベント用途なら、USBメモリを2本接続できるXDJ-AZの方が便利です。
「クラブDJを目指したいけれど、最初から高額な機材を揃えるのはちょっと……」
という人には、現実的なスタート地点だと思います。
本格的な機材が欲しいけど1台で完結させたいなら「XDJ-AZ」
予算に余裕があり、
「どうせ買うなら最初から本格的なものが欲しい」
という人にはXDJ-AZがあります。
XDJ-AZもXDJ-RRと同じように、左右のプレーヤー部分と中央のミキサー部分が1台にまとまったタイプです。
ただし、XDJ-RRよりかなり本格的。
クラブで使われるプロ向け機材を意識したレイアウトや操作感になっています。
また、最大4つの音源を扱える4チャンネル構成になっています。
「4ch」と聞くと難しそうですが、初心者の段階では、
「将来、プレーヤーなどを増やして、より複雑なDJセットにも発展させられる」
くらいに考えておけば大丈夫です。
もちろんUSBを挿して、パソコンなしでDJすることもできます。
XDJ-AZがおすすめな人
・予算に余裕がある
・最初からクラブに近い本格的なDJ環境で練習したい
・フルサイズのジョグで練習したい
・4chを使ったDJにも挑戦したい
・パソコンなしでUSBを使ってDJしたい
・複数のDJが出演するパーティーやイベントでも使いたい
・1台で本格的なDJシステムを完成させたい
ただし、ここまで予算を出せるなら、購入する前にもうひとつ考えてほしい選択肢があります。
本気でクラブDJを目指すなら「プレーヤー2台+ミキサー」も考えてほしい
ここからが、将来クラブDJを本気で目指したい人に、個人的に一番おすすめしたい選択肢です。
クラブのDJブースを見ると、
「曲を再生するプレーヤー」
と
「複数の音を混ぜるDJミキサー」
が、それぞれ別々の機材になっていることが多いです。
このような構成を「セパレート構成」と呼びます。
簡単に言えば、
「全部が1台になっているのではなく、プレーヤーとミキサーを別々に買う」
ということです。
コスパ重視なら「XDJ-700 × 2 + DJM250 or DJM450」
本気でクラブDJを目指す初心者なら、個人的にはこの構成をかなりおすすめします。
XDJ-700を2台用意し、DJMシリーズのミキサーと組み合わせます。
XDJ-700は公式ストア掲載価格が1台104,500円です。2台で209,000円。
そこに、
DJM-250MK2:55,000円
を組み合わせると、
XDJ-700 ×2+DJM-250MK2=264,000円(税込)
になります。
もう少し機能の多いDJM-450を選ぶなら、
XDJ-700 ×2+DJM-450=313,500円(税込)
です。DJM-450はクラブ向けDJM-900NXS2の基本機能・操作性を踏襲した2chミキサーとして公式に案内されています。
XDJ-700自体も、クラブ向けCDJの基本レイアウトを継承し、7インチタッチディスプレイやrekordbox連携に対応しています。
本気でクラブDJを目指す初心者なら、個人的にはこのXDJ-700セットをかなりおすすめします。
これなら、
プレーヤー + プレーヤー + ミキサー
という実際のDJブースに近い構成で練習できます。
そしてこの構成の大きな魅力は「後から変えられること」です。
最初はシンプルなミキサーから始めて、必要になったらミキサーだけアップグレードする。
3台のプレーヤーを使いたくなったら、もう1台追加する。
レコードを使いたくなったら、ターンテーブルを追加する。
自分のDJスタイルに合わせて、少しずつシステムを発展させられます。
さらに本格的にするなら「XDJ-1000MK2 ×2+DJM-450」
XDJ-700よりさらに本格的なプレーヤーが欲しい人には、XDJ-1000MK2という選択肢があります。
XDJ-1000MK2は、プロ向けCDJシリーズのレイアウトを踏襲し、直径206mmの大型ジョグと7インチタッチディスプレイを搭載しています。USBストレージに入れた楽曲も直接再生できます。
つまり、
XDJ-1000MK2 ×2+DJM-450
という組み合わせにすれば、より本格的なセパレート環境を自宅に作ることができます。
価格は、
XDJ-1000MK2 ×2+DJM-450=478,500円(税込)
程度。
XDJ-AZの473,000円とほぼ同じ価格帯です。
ここまで予算を出せるなら、
「1台ですべて完結するXDJ-AZ」
にするか、
「プレーヤー2台+独立したミキサーのXDJ-1000MK2セット」
にするかを考えてみるといいと思います。
持ち運びや設置の簡単さを重視するならXDJ-AZ。
一方で、プレーヤーとミキサーが別々になったクラブ型の環境で練習したいなら、XDJ-1000MK2のセットが魅力的です。
XDJ-1000MK2がおすすめな人
・XDJ-700より本格的なプレーヤーが欲しい
・大型ジョグで練習したい
・クラブに近いセパレート環境を作りたい
・将来的に機材を追加・交換したい
・XDJ-AZと同程度の予算で別々の機材を揃えたい
なぜ初心者に「プレーヤー2台+ミキサー」をすすめるの?
全部が1台になっている機材の方が簡単です。
配線も少なくて済みます。
それでも私がプレーヤーとミキサーが別々になった構成をおすすめする最大の理由は、
「現場では基本的にプレイヤー(CDJ・ターンテーブル)とミキサーは別々でそのプロのDJ機材そのものを理解する経験ができるから」
です。
自分で配線することもDJの勉強になる
プレーヤーとミキサーが別々なら、自分で接続します。
基本的な音の流れは、
プレーヤー1 → ミキサー
プレーヤー2 → ミキサー
ミキサー → スピーカー
です。
ヘッドホンもミキサーにつなぎます。
最初は、
「このケーブルはどこに挿すの?」
「INPUTとOUTPUTって何?」
と戸惑うかもしれません。
でも、実際に自分で接続することで、
プレーヤーは曲を再生する機械
ミキサーは複数の音を調整して混ぜる機械
最後にミキサーからスピーカーへ音を送る
というDJシステムの基本が自然と理解できるようになります。
「音が出ない」を自分で解決できるDJになる
実際のクラブやイベントでは、
「片方のプレーヤーから音が出ない」
「ヘッドホンでは聞こえるのにスピーカーから聞こえない」
「DJブースのモニタースピーカーから音が出ない」
といったトラブルが起こることがあります。
そんなとき、音が通る順番に原因を確認できる知識が役立ちます。
最初から全部できる必要はありません。
でも、いろいろな場所でDJをするようになれば、こういった知識が役立つ場面は出てきます。
DJが上手いこととDJ機材を扱えることは別の能力ですが、
プロとしていろいろな現場でDJをしていきたいなら、私は両方知っておいて損はないと思っています。
後から機材を一つずつアップグレードできる
プレーヤーとミキサーを別々に買うもうひとつの大きなメリットが、後から自由に組み替えられることです。
例えば最初は、
XDJ-700 × 2 + DJM
から始める。
その後、もっと本格的なミキサーが欲しくなったら、ミキサーだけ交換できます。
3台のプレーヤーを使いたくなったら、3台目を追加できます。
レコードでもDJしたくなったら、ターンテーブルを追加できます。
さらに将来、本格的なCDJが欲しくなったら、プレーヤーを少しずつ交換していくこともできます。
自分のDJスタイルや成長に合わせて、少しずつ自分のDJブースを育てていける。
これが、私がこの構成をおすすめする大きな理由です。
結局、初心者はどれを買えばいい?
とにかく安くDJを試したい
→ DDJ-FLX2
家でDJをしっかり楽しみたい
→ DDJ-FLX4
クラブを目指してUSBでDJする練習をしたい
→ XDJ-RR
本格的な機材が欲しいけど1台で完結させたい
→ XDJ-AZ
本気でクラブDJを目指したい
→ XDJ-700 × 2 + DJM
DJ初心者だからといって、必ず一番安い機材を買う必要はありません。
逆に、「いつかクラブでDJしたい」というだけで、最初から100万円を超える環境を作る必要もありません。
大切なのは、
「自分はDJをどこで、どこまでやりたいのか?」
ということです。
家で好きな音楽をミックスするだけでもDJは十分楽しいです。
一方、本気でクラブDJを目指すなら、ミックスの練習だけでなく、機材にも少しずつ興味を持ってみてください。
プレーヤーとミキサーはどうつながっているのか。
音はどこを通ってスピーカーまで届いているのか。
トラブルが起きたとき、どこを確認すればいいのか。
そういうことを一つずつ理解していくことも、DJとして成長していく過程のひとつだと思います。
自分の目標に合った機材を選んで、まずはDJを始めてみてください。
おまけ:予算を気にしないなら、もちろんCDJ-3000X
ここまで初心者向けに現実的な選択肢を紹介してきました。
でも、
「予算は気にしない。最初からプロクラスのDJブースを家に作りたい」
という人もいるかもしれません。
そんな人なら、現行のプロ向けCDJ-3000XとDJM-A9やDJM-V10を組み合わせて、自宅に本格的なDJブースを作るという選択肢もあります。
もちろん、初心者がDJを始めるために必要な環境ではありません。
ここはあくまで、
「最初からプロクラスのDJブースを自宅に作りたい」
という人向けのおまけです。

